漫画:月子
- あらすじ
被災者の精神の復興のため。
前巻から続くPTSD編は度重なるパニック発作や不眠症に苦んでいる青年・冬室涼。3・11 東日本大震災の被災者であった彼の傷は癒えぬまま、精神を侵食し続けている。周りの人達と分かり合えないトラウマからの回復を描く感動の完結。
そして、自傷行為や異性関係で周囲に迷惑をかけるバー店員を描くパーソナリティー障害編が開幕。
- おすすめポイント
・"精神科医は患者にとっての灯台"弱井先生の一言に患者も読者も癒される今作
実際に相馬市で精神医療に携わっている蟻塚先生や須藤先生が登場し、弱井先生と意見を交わしている今作。
アウトリーチ事業は精神医療を身近にするとても画期的な取り組みだなと感じました。
災害時だけでなく、平時でもこの取り組みで治療が出来れば素晴らしいですね。
新しい章のパーソナリティー障害編も読み応えがある話になりそう。
"精神科医は患者にとっての灯台" 道を進むためには大切な存在だけど、病気と向き合っていく主人公はあくまで患者自身。患者は変わることができるのだろうか。
- オススメしたい他作品
<完結済>毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせ。
100%安全などあり得ない、それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。
体や心が弱っているときに読むと身体が少し軽くなれるような作品。
診療放射線技師・五十嵐唯織。コミュ障の彼だが、CTやMRIを撮る腕は超一流で、視えない病を診つけ出す。画像診断医療コミック。
<完結済>自閉症児と母との感動の物語。
みんな違う、けど、似てるところもある。自分にとってはある意味のバイブル。
自閉症の子供と母親の物語。
子どもが生まれ、育てていく過程で、親はいつでも何らかの不安を感じるもの。この親子においては自閉症という障害もプラスアルファとして加わる。
子どもが生まれ、成長する中で自閉症ということを知ったばかりのころ、主人公(母親)は障害に対し消極的になり、内に閉じこもっていく。家庭までが壊れそうな中、仲間や理解する人たちと出会う事で、現状を肯定し、積極的に社会とかかわり生きていくことができるようになる。
人と感じ方、考え方が違う、社会の通念から外れることは、相当の生きづらさを感じるもの。
そのような現状の厳しさをきちんと見つめ、悩み、迷いながら、気づきを得、どこにでも居る弱い人間である主人公が、困難に立ち向かっていくようになる。
人生を肯定する力、それはタイトルにもある「光」を見出だすということなのではないだろうか。