- あらすじ
「妖怪が見える」という秘密を抱えた少年・夏目。祖母にあたるレイコから「友人帳」を受け継ぎ、妖怪たちに名前を返す日々を送っている夏目。
ある日、ニャンコ先生と散歩をしていると木から落ちてきた鏡の欠片のようなものが目に入ってしまった夏目。そんな夏目をかばった田沼に妖が取り憑いてしまうことに。その妖は割れた鏡集めに協力すれば、体から出ていくという。鏡探しを決意する夏目たちだが、別に妖の影が…!?
癒されあやかし契約奇談!
- おすすめポイント
・夏目の人間関係を巡る今作、絆を深めるエピソードにほっとでき感動。
妖は出てきますが、それは何かに気付かされるきっかけなどであり、今作の中心は人間との触れ合いです。的場の登場により妖との関わり方を問われた前巻とは対照的でした。
あとがきを読むと、どの話も以前から描きたかったけれど、どれも大切な話だからこそ、なかなか描けなかった、そういう話のようです。ずっと作者さんの中で温められた内容。どれも優しい話で、何気ないやり取りや台詞にほっとします。夏目の自転車のエピソードにははっとさせられました。
妖と人間、その両方とどう関わっていくかまだ手探りの状態の夏目。ですが、少しずつ友達や家族といった身近な存在に遠慮などをせず、思いを言葉にのせる。そんな変化が感じられる、どれも丁寧に作りこまれた内容の今作です。
- オススメしたい他作品
・百鬼夜行抄
主人公の飯嶋律(いいじまりつ)は、今は亡き祖父・飯嶋蝸牛(いいじまかぎゅう)から不思議な力を受け継いだ。それは、普通の人間には見えない妖魔を見る力。しかし、見えるだけで他には何の力もない。そんな飯嶋律と、さまざまな妖魔との出会いが織り成す魅惑的な不思議絵巻。
「夏目友人帳」を大人向けにした感じの漫画です。昔、私の母が読んでいたのがキッカケでハマりました。中学生の頃の自分では、一回読んだだけでは内容が上手く理解できず、何度も何度も読み返してのめり込んでいった作品です。
田舎に暮らす静流(しずる)と瑞生(みずき)の仲良し姉妹は、他者には見えない妖怪を「見ることのできる力」と、「憑依される力」を持っていた。拝み屋の祖父の助力のもとで、もっけ=勿怪や自然と人間との共存を軸として、二人は成長していこうとする、ほのぼのモノノケ物語。
姉妹(瑞生・静流)が助け合う姉妹の美しい物語の作品です。
入口に大きな柳の木がある骨董屋「雨柳堂」。そこへ集まるのは、様々な“想い”を持った品々。骨董と人の織りなす愛情と因縁。主人の孫息子・蓮は、それらの“想い”を感じ取る不思議な力を持っていた…。
骨董につく物の怪や、あやかし達のお話。主人公が魅力的で、骨董にまつわる不思議が雰囲気良く描かれています。読み出すと止まらない面白さがある作品。