原作:竹村 優作
- あらすじ
現代日本の痛みを描く医療漫画の新機軸!
この児童精神科医は、発達障害を凸凹(でこぼこ)と呼ぶ。あなたの凸凹にハマる生き方が必ずある。
日本で発達障害と診断されている人はおよそ48万人。そして、子どもの10人に1人は、何らかの障害を抱えているとされる現代。
人知れず学校や家庭でトラブルを抱え、孤独や苦痛に耐えながら生きる人たちがいる。児童精神科医は、そんな親と子に向き合い続ける。
第2巻は「虐待の連鎖」「志保の告知」「お受験ママと子ども」の3編を収録。
- おすすめポイント
・「虐待」よく聞くけど、怪我させるだけが虐待ではない。子どもを傷つける行為全てが虐待であることがよく分かる今作。
虐待の連鎖/カミングアウト/家族の期待(途中)の内容となる2巻。
当然、"笑える"、"楽しい"という気持ちにはならないのだけれど、私にも子供がいる親であり、私もかつては子供だったことを踏まえて興味深く1巻に続き読んでいました。
1巻もそうでしたし、これからもそうでしょうが、参考文献、参考論文があり、監修されている方がいらっしゃるからだと思いますが、現実的な内容です。
そして、志保先生がかつてのアルバイト仲間に、自らの障害をカミングアウトするエピソード。なんだかすごく共感できました。
「大丈夫だよ!」「できるよ!」という周囲からの温かい励ましも、実はわかってないだけだったりします。そこの期待に応えようとしてへとへとになっている人が、あなたの周りにも、多分います。
裕福な家庭での教育虐待のエピソードでは、周囲の期待に応えようとしすぎてしまう子どもがでてきます。話の続きは3巻に続く…気になって仕方ない。
- おすすめしたい他作品
・最上の命医
<完結済>医療の知識が無くても、読み込んでしまうぐらい面白い作品!
まっすぐなキャラクターに自分も素直に頑張りたくなる話です。
声を出して吹き出してしまう絶妙なやり取りが好きな作品。
あらすじ
0歳の時、心臓の大手術を受けた少年・西條命は、自分を治した神道護のような“最上の名医”を目指していた。ある日、友人と釣りに出かけた時にその友人が怪我で倒れてしまう。船の上、電話の指示でなんとか手術を成功させた命は、医者は目の前の患者だけではなく、その家族や子孫の繋がりである「無限の樹形図」を救うことなのだと教わる。
それから十数年後、命の勤務先である平聖中央病院を舞台に奮闘が始まる。医療ミスが原因で小児外科が廃止されていたが、命によって復活し現代の小児外科の問題を中心に、若き天才外科医、西條命が、さまざまな患者を相手にその腕を振るい、病院の確執や利権と戦いながら、小児医療改革を目指していく。理事長には子供がおらず、系列病院の中で「最上の名医」だと判断した者に経営権を譲ると発表されており、利権問題で静かに内部抗争が起きている。
常に患者のことを考え、患者一人を救うことで、患者のみならずその家族や、患者がこれからどう生きていくかということに関わるすべての人々を救う。そういうことまで考えるような主人公、ドクターです。
・Shrink~精神科医ヨワイ~
「周りと自分は違っている気がする」こんな"悩み"を持っている方に読んで欲しい。
あなたが本当に弱ったとき、逃げ場がちゃんとあることを知れる、とても優しい作品です。
あらすじ
パニック障害、うつ病、発達障害――。
隠れ精神病大国と呼ばれる日本は、その名の通り、精神病患者の数自体は、アメリカ等と比べると少ない。その一方で、自殺率は先進国の中でも最悪レベル。悩んでいても“精神科は特別なところ”という思いこみが、人々の足を遠のかせてしまう…。
精神科医・弱井は、そんな日本の現状を変えていき、一人でも多くの“心”を救うべく、こう願う――。「僕はこの国に、もっと精神病患者が増えればいいと思っています」
<完結済>私の娘が小さく生まれてNICUに入ったとき、噂を聞いて本作を読み始めました。
100%安全などあり得ない、それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。
<完結済>自閉症児と母との感動の物語。
みんな違う、けど、似てるところもある。自分にとってはある意味のバイブル。
自閉症の子供と母親の物語。
子どもが生まれ、育てていく過程で、親はいつでも何らかの不安を感じるもの。この親子においては自閉症という障害もプラスアルファとして加わる。
子どもが生まれ、成長する中で自閉症ということを知ったばかりのころ、主人公(母親)は障害に対し消極的になり、内に閉じこもっていく。家庭までが壊れそうな中、仲間や理解する人たちと出会う事で、現状を肯定し、積極的に社会とかかわり生きていくことができるようになる。
人と感じ方、考え方が違う、社会の通念から外れることは、相当の生きづらさを感じるもの。
そのような現状の厳しさをきちんと見つめ、悩み、迷いながら、気づきを得、どこにでも居る弱い人間である主人公が、困難に立ち向かっていくようになる。
人生を肯定する力、それはタイトルにもある「光」を見出だすということなのではないだろうか。