著者:森 薫
- あらすじ
エイホン家の居候イギリス人、ヘンリー・スミス。彼は長らく滞在した土地をはなれ、カラザそしてアンカラへと旅に出かけた。
カラザでは珍しい外国人であるスミスは、町の人並みにもまれ、気がつくと、馬も、荷物も、盗まれてしまっていた!
そして、もう1名、愛馬を盗まれたのが第2の"乙嫁"タラスさん!
今、スミスは運命の女性に出会う……!
中央アジアの生活文化を、丁寧な筆致で描き上げる、人気絶好調シリーズ第3巻!!
- おすすめポイント
・楽しいことばかりではない、時に突きつけられる現実の厳しさ。風習が違えば価値観も変わるし、考え方も捉え方も千差万別となる。だからといって、スミスとタラスの一つの恋が不幸だとは限らない。
英国人スミスさんは言語学者で冒険家。所用でアミル達の村を出て中央アジアからトルコのアンカラまで旅に出る。
案内人と合流し損ねて未亡人となった女性の家に厄介に・・。
そこで異文化の嵐にさらされる。市場で怪しい外国人だと役人に掴まったところに噂を聞いて駆け付けたカルルク夫婦とパリヤさん、遅れてきた案内人のアリに救助される。
案内人のアリの渡世術と土地の人々のおおらかさが何だか大陸的で大法螺・大風呂敷でありそうでなさそうで・・。
乙嫁はアミルだけを示しているのではなくこの世界のいろいろなお嫁さんを描いていることを知る。
この巻でアミルとカルルクの話じゃなくて「乙嫁」の話なんだとなった巻。
駅馬車方式の話になるんですね。
スミスとタラスの出会いから別れが切ない。
あとで救いがあるのがわかっててもね。
タラスの表情の描き方とかすごく良くて、セリフがなくとも機微が感じられる。
- おすすめしたい他作品
極寒の地を治める伯爵リツハルド。男前の元女性軍人ジークリンデ。彼女の鋭い眼差しに心奪われたリツハルドは、思わず告げる。
「あっあの、自分と結婚してください!!」
一目惚れからはじまる、一年間のお試し婚。ソリを駆ってトナカイを狩り、解体&仕分け&熟成。ベリーを摘み、保存食や蝋燭、伝統工芸品を作る合間に、凍結湖で魚釣り。熟成肉の香草焼きに、トロけるチーズとパリパリソーセージ、木の実いっぱいのパンとほかほかサーモンシチュー。
自給自足の狩猟民族的スローライフを通して、奥手な2人は無事、正式な夫婦になれるのか!?