著者:森 薫
- あらすじ
第10巻の前半はカルルクが"男"になるべく修業をする"男修業"編。
アミルの兄が暮らす冬の野営地へ行き、アゼル・ジョルク・バイマトの3人から鷹狩りを学びます。
後半はアンカラへの旅を続けるスミスへ視点が移り、案内人アリとともに旅の様子が描かれていきます。お楽しみに!
- おすすめポイント
・表情やわずかなモーションから心情を汲み取るシーンが多くて、人により解釈がやや分かれるのが面白くて好きです。そこに暮らしているような気持ちになります。
アゼルの許で「大人の男になる合宿」に励むカルルク。
年上妻に見合う男になろうと頑張る。幼くともいずれ大人になると分かっているアミルは賢いなあ。
山道を隊商と進むスミスとアリ。
慣れても落ちる慣れると落ちる慣れても落ちないようにというアリの言葉は安全についての真理だな。
クリミア戦争はこれからなのかと思いきや既に終わっていた。
トルキスタンへ侵攻しようとするロシアが怖い。
アンカラでのスミスとタラスの再会はタラスの今の夫のおかげ。
「いろいろままならない世の中だけど」
「会いたい人が生きてるなら会うべき」
何と善人か!
前半はアミルさんの実家で修業中?なカルルクさん。
イヌワシと共にする狩り・鷹狩りについて、鷲を捕え慣らして育てる所から描かれていて興味深かったです(イヌワシが、めっちゃ恰好良いです)。
アミルさんとその実家の事情も解って良かったです。
兄のアゼルさんにも素敵なお嫁さんが来ると良いなぁ。
そして後半はスミスさん。
なんと旅の執着地(折り返し地点?)でタラスさんと再会。
タラスさんの旦那さん(仮)が良い人過ぎでほっこりしました。
名前さえ出て来なかったけれど、この人も幸せになって欲しいですね。
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