著者:森 薫
- あらすじ
中央アジアを舞台に、さまざまな結婚模様を描き連ねていく『乙嫁語り』。
撮影の旅を続けるスミス一行は、アニスとシーリーンが暮らす町へと戻ってきました。
「何もやることがない一日」を描いた前後編、「猫」や「髪」、「風呂」に「手紙」の漫画など、大小さまざまな9篇の作品を収録。
ロシア軍の南下がうわさされるなか、スミスの旅路に幸あらんことを!
- おすすめポイント
・何気ない日常であるけれど、かけがえのないヒトコマ。異文化の優しい交わり。スミスとタラスの旅路が穏やかに続く。タラスと、アニスとシーリーンとの出会いからの、典雅な乙嫁トークが美しい。
短編集みたいで皆の日常が垣間見えて良い。
猫の動きのリアルな躍動感が素晴らしい。
桑らかく飛びはねる感がまさに猫。
スミスさん家は立派な貴族のようでタラスさんは少し苦労するんじゃないかなーと思いながらも、旦那様には内緒でアニス達の写真をしっかり写してくるあたりはたくましくて好き。
あとお風呂屋でアニスがみんなに囲まれているのを見て涙ぐむマーフもなんか好き。
写真機材を手に入れたスミスさんが元来た道をたどる…前にそれぞれの暇のつぶし方で主要人物だいたい勢揃い♪
いや、でもパリヤさんは暇ではないはず…!
人前では見せない髪の美しさを堪能。
スミスの調査は言語が主体だったのね。
それにしてもここでタラスは何を思っていたのか…?
再び訪れたアニスとシーリーンの所で話したことが全部なのかな?
やっぱりまだ、使用人でも良いと思ってる?
お風呂で知り合った人たちと楽しそうにしてるアニスを見ているマーフの涙にじんと来ました。
後書きの”独占自分インタビュー”って(笑)
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