著者:麻生海
- あらすじ
独身の希夏帆は事故で両親を失った兄弟・中学2年生の冬真と5歳の春陽、恋人の愁人と共に彼女のマンションで暮らしている。
一見平穏な日々であったが、冬真はクラスメイトとの関係に悩んでいた。
そんな彼に春陽は「お母さんに会いたいね」と告げる。その言葉に冬真は…。
- おすすめポイント
・遺される者の苦しさと強さ、周囲の考え抜いた優しさがあって時は進む。切なく心温まるお話です。
亡くなった両親を忘れない兄弟のそれぞれの年齢相応の葛藤と対処が心に刺さる。
弟そして園友の勉強机に纏わるストーリーも。同級生、その家族、また兄弟の家族が上手く絡んでる。
ジェンダー関連ではうさぎを男の子も好きで良い、料理部の活動、中学男子にイチゴ(テディベアも!)のパジャマが印象的。
今巻は兄冬真の回。圭太くんだけかと思ったら爽太くんも関わってくるのね。
歳を重ねるほど、相手の辛い部分に触れづらくなるし、自分の気持ちを伝えることに躊躇してしまうものだろうけど。3人ともきちんと伝えられて偉いなぁ。
冬真もたくさん抑え込んでたんだね。ハルのトラウマも可愛い傘で少しだけ解消されそう?
- オススメしたい他作品
・flat
<完結済>子供に興味のなさそうな淡々とした高校生、しかも男の子がこれまた子供らしくない大人しい子供に懐かれるという、不思議かつあり得そうな組み合わせです。
優しかったりあったかかったりというお話ですが、ほんのりとせつなさもあるように感じました。
あらすじ
平凡な日々を過ごす超マイペースな高校生・平介は、ある日いとこの我慢強い保育園児・秋の面倒を見ることになる。
周囲の物事に無頓着な平介が、秋と過ごすことによって少しずつ変化していく。
・銀のスプーン
<完結済>単なる不幸ストーリーではなく、嫌味なキャラクターは出ない、それでもキャラクターはみんな立っていて、そしてほっとする。こんな物語めったにない、家族の絆と料理で心温まるおいしくて優しい物語です。
あらすじ
主人公の律は受験を控えた高校3年生。
弟の調、妹の奏、そして母の4人暮らし。ところがある日、母の病気が発覚。律がはじめて台所に立つことに…。