漫画:月子
- あらすじ
自分がどういう人間なのか確信が持てない不安から、常に虚しさと焦燥感を抱え、他人や自身を傷つけてしまうパーソナリティー障害。
その診断を受けた小山内風花は、弱井の冷静な対応に苛立ち別のクリニックに通い始める。
新しい医師の対応はまさしく彼女の求めていたもののように思えたが? 精神医療最大のタブーにも迫る!!
休日のクリニックの面々を描く番外編や新章・アルコール依存症編も収録!!
- おすすめポイント
・パーソナリティー障害についての治療が描かれています。今までの内容と同様に非常に誠実な内容。弱井先生の言葉が心にしみます。
境界性パーソナリティ障害。
周りの人間は基本的に「家来か敵か」しかない。小さなきっかけで大好きは大嫌いに転換してしまう。どんなひどいことをしても私を見捨てないよねと試してしまう。
弱井先生が「治療が進めば周りの人や風景がこれまでと全く違って見える瞬間が訪れます。その時が来ても恐れないでください」と掛ける言葉の意味が分かる瞬間は何回も読み直した。
パーソナリティ障害は治る病気という事も、共依存になりやすい関係性も、深い意味があった。
そして弱井先生と再会した同業の早乙女先生、過去の遺恨がありそうで謎が深まる。
- オススメしたい他作品
<完結済>毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせ。
100%安全などあり得ない、それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。
体や心が弱っているときに読むと身体が少し軽くなれるような作品。
診療放射線技師・五十嵐唯織。コミュ障の彼だが、CTやMRIを撮る腕は超一流で、視えない病を診つけ出す。画像診断医療コミック。
<完結済>自閉症児と母との感動の物語。
みんな違う、けど、似てるところもある。自分にとってはある意味のバイブル。
自閉症の子供と母親の物語。
子どもが生まれ、育てていく過程で、親はいつでも何らかの不安を感じるもの。この親子においては自閉症という障害もプラスアルファとして加わる。
子どもが生まれ、成長する中で自閉症ということを知ったばかりのころ、主人公(母親)は障害に対し消極的になり、内に閉じこもっていく。家庭までが壊れそうな中、仲間や理解する人たちと出会う事で、現状を肯定し、積極的に社会とかかわり生きていくことができるようになる。
人と感じ方、考え方が違う、社会の通念から外れることは、相当の生きづらさを感じるもの。
そのような現状の厳しさをきちんと見つめ、悩み、迷いながら、気づきを得、どこにでも居る弱い人間である主人公が、困難に立ち向かっていくようになる。
人生を肯定する力、それはタイトルにもある「光」を見出だすということなのではないだろうか。