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チ。―地球の運動について― 3巻 あらすじとオススメしたい他作品

著者:魚豊
  • あらすじ

絶望の淵で、意志を穿つ、覚悟はあるか?

「地動説」に魅せられたグラスの想いを受け継いだオクジーは、一縷の希望を胸に、孤高の天才修道士・バデーニの元を訪れ、石箱を引き継ぐ。そして、オクジーとバデーニが「地動説」証明のための新たな協力者を募ったところ、「女性に学問など」という時代に押し潰され、世界に絶望する少女が一人。

一度見えた希望を失い絶望の淵へと突き落とされた人間は、再び希望を求め、意志を貫き通すことはできるのか? 持てる選択肢は二つ。それでも意志を貫くか、否か。

  • おすすめポイント

・この時代の「知」のかけがえなさに、心を殴られました。オクジーという主人公の存在意義が明確になる3巻。我々の現実世界とも照らし合わすとゾクゾクする作品。
実は一巻を読んだときに、「美しさだとか神だとか、精神論的なセリフが多いな…」と思っていたのだけれど、三巻まで読み進めて、地動説でも天動説でも「神の作った真理」というものの中での戦いだったのだな、という、彼らの価値観の枠組みが見えてきて面白いです。

今の感覚だと、真理に神を持ち出すことが非科学的で、科学史を振り返ったときに、当時の信仰の意味合いを忘れてしまいがちなんだけれども、この作品が当時を反映しているかは別として(判断できない)、作者さんはそれを意図しているのかなー、と思いました。

「神が創った自然か、人間の作ったこじつけか、あなたはそのどちらに見えますか?」

天動説から地動説への転換というのは文字通り世界が変化するってことだったんだなとよくわかる。学問がどうこうより、人の目の前に見えてる世界そのもの、世界の見え方が。

当時の情勢に疎いのでこの作品がどのくらいフィクションなのか分からないけど(実際女性がどのくらい学問の道に進めたのか等)天動説地動説、どちらも命かけて真理を追求してたんだな…。

命捧げた研究が、余命わずかとなって間違っていたと分かった時の心情は察するに余りある。

  • おすすめしたい他作品

・ヒストリエ

舞台は紀元前。奴隷の身分にありながら、豊かな教養と観察眼、判断力、そしてそれらを駆使して行動を起こす度胸を兼ね備えた、不思議な青年・エウメネスがいた。

偉大なる哲学者・アリストテレスの逃亡を助けながら、彼が目指したのは、「故郷」と呼ぶカルディアの街…。のちにアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの、波乱に満ちた生涯を描いた歴史物語。

本作も人々の思想と魂に触れ、読むにつれて引き込まれていく作品。

・JIN―仁―
<完結済>主人公の南方仁は東都大学附属病院に勤める脳外科医である。ある日、彼が頭部裂傷の緊急手術を執刀した患者が、病院を脱走しようとする。患者と揉みあう内に仁はなんと幕末の1862年にタイムスリップしてしまった。電気も消毒薬も抗生物質もない世界で、医師・南方仁の戦いを描いた作品。
 
設備や薬のない中、懸命に命を救おうとする仁のひたむきさ、日本を心から思って命をかけていた幕末志士の生き様に心打たれる物語です。
 
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