竜と勇者と配達人
今巻では「情報インフラ」に関する大騒動が描かれます。インターネットなど無い世界ですが、狼煙・伝書鳩に変わるような新通信技術を導入しようとする件は、かなり中世ファンタジーとミスマッチな題材。それをここまで面白おかしく描けるのは流石の一言です。
物語の縦軸が進みシリアス濃度が高まりつつある中、先輩に対して小悪魔めいた言動をするようになった吉田と、パキリに対してボディタッチ過剰のヤスミンが癒しです。組織の下っ端である吉田・パキリ&ヤスミンのこなす任務のブラック度も心持ち上がってきた…
相変わらずのオマケの情報量の多さが楽しい漫画で嬉しい限り。ロマン溢れる昔よりも、ブラック溢れる昔の方が楽しいと思えるのは、この情報量があってこそなんだと思う。13世紀のハローワークとかも読んでいると細かい演出まで楽しめます。
自分たちの人生に、そして術師の未来に関わる大きな決断をします。それが吉と出るのか凶と出るのか…彼らの行く末が楽しみ!アクションシーンもサービスシーンも多いのに微塵たりとも色気を感じさせない短慮の吉田さんが“郵便”事業に汗水垂らす4巻(笑)!
世界に抗う者たち「組織」が姿を現した事により、まるでこの漫画の世界全体に不穏な空気が流れ込んでくるよう。それでも、アイダツィヒと吉田は今日も元気に通常運転。愛あり、過労あり、お祭りあり、豊かな社会ありと、3巻も素晴らしいエピソードが詰まって…
この竜と勇者のファンタジー世界にも、剣と魔法を殺す近代の流れが訪れようとしますが、それを良しとしない抗う者達、通称「組織」が顔をのぞかせ、ストーリー的な流れが出来てきました。唐突に現出する強者による踏み潰す様な死に、鳥肌がたつ展開有!
配達人の視点から、異世界の経済に楽しく触れる新鮮な作品!作者のファンタジー世界観を非常に上手く作品へ落とし込んでいる漫画です。